この写真から国内の建造物と理解する人は少ないのではないか。上からの見晴らしは素晴らしいが、下から見上げるのは恐ろしい。ここは小諸懐古園から2〜3kmにある布引観音といい「牛に引かれて善光寺詣り」の伝説があるゆかりの地でもある。信心の薄い老婆が手にしていた布を、どこからともなく表れた牛が、角にかけ走りだした。老婆は牛を追いかけ善光寺まで来たが、牛を見失ってしまった。すると一条の光明が差し、その霊光で老婆に菩提心が起こり罪悪を詫びた。ある日布引山にあの布を見つけ取ろうとしたが、断崖絶壁に阻まれ取るすべもなく、ただ一心不乱に念じ始めた。そして老婆は布と共に石に化してしまった。今でも信濃四代伝説として語り継がれている話だ。小諸近辺に出かける折には、是非足を延ばしてみるのも一考です。ゆっくり登って30分、足に自信のない方には、登り口に多くの人が使ったと見える木の杖が置いてある。