3年前ほど前になるが、私の所属するグループに一人の男性が入会してきた。この歳まで様々な人に巡り合ったが、この人程食べ物の好き嫌いの激しい人に出会ったことはない。
初めはネコを被っていたのか目立つことはなかったが、そのことが発覚したのは、入会後半年が過ぎ、福島の岳温泉で総会を行ったその帰り、そば屋に行こうとしたら「俺は蕎麦は食べない」と言う。しかたなく車で探しまわり丼物を食べさせた。その後も酒はこれしか飲まないと言って、自分で一升瓶を持ってくる。その後は周囲も、余りの我がままに付き合っていられないと、近頃は適当な店を選んで入るが、俺の食う物が無いと言う始末。さらに今年の忘年会では、出てくる料理にいちいち文句を言いほとんど食べない。先日などは頼んだ料理を店員がいる前で「こんなまずい料理は食えるか」と噛み付く。御年78歳そろそろ丸くなってもらわないと、と思いつつ普段は愉快なおじさんなのでついつい回りも許してしまっている。