5月のゴールデンウイークに、2泊3日で東北の旅を満喫してきた。今年中学生になった孫から、5月に花巻市の友達に会いたいとの願いを聞き決行した。ネットでの宿さがしは一筋縄ではいかず、旅行会社に泣きつき遠野と白石に宿が取れて事なきを得た。
2日の夜10時に車で東京を出発、思ったよりスムーズに進み、仙台を経由し石巻から女川町へと向かう。東日本大震災後、妻が所属する絵手紙のサークルで、女川の小学校に絵手紙を定期的に送っている縁もあり、一度女川を見たいとの希望を叶えた。女川に近づくにつれ空地が増えてきて、港に到着する頃には荒涼とした平地が一面に広がっていた。
2年前に津波の被害を受けたことを知らなければ、開発会社が整地したかのようで、そこからは津波の忌まわしい傷痕は見えない。転倒し土台を見せた、いくつかのコンクリート製の建物が、平穏な生活を一瞬のうちに飲み込んだ津波の大きさ、勢いを物語っていた。女川の再生を願い妻と共に無言で港を後にした。
この文を書いた後、NHKの夕方の番組で、女川の中学生が、津波の惨状を記憶に留めようと、転倒したコンクリート製の建物を保存する活動を開始したことを見た。その番組では広島の原爆ドームの保存も、地元の中学生の発案が、長い道のりを経て実現したことを伝えていた。高齢化に拍車をかける地方の町の再生に、若者が率先して声を出していることに感動し、何らかの手助けをしたいとの思いを強くした。
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分かりにくいが左側が建物の土台です |