どちらかというと蛇は嫌いな部類に入る。嫌いな人ほど、キョロキョロして蛇を探してしまうらしく、私もその一人に入るようだ。ここで、私が見聞した蛇の生命力の強さについて書いてみたい。
小学生の頃、私は長野の田舎で5年ほど暮らしたが、ある日近所のガキ大将が、石垣から蛇を引きずり出し、首などに巻き遊んでいた。そのうち蛇の尻尾を持ち、頭を何度か地面に叩きつけた。当然蛇はグッタリとなり死んだかに見えた。ところが、突然ガキ大将が田圃の中の川に走り出し、おもむろに蛇を放りこんだ。川に入るや蛇は鎌首を持ち上げ悠然と泳いでいってしまった。
もうひとつは、友人から聞いた話だが、真夏の渓流釣りで滝を登っていたら、いきなりマムシにガブリと指に噛みつかれた。ところが当人は相当な猛者で、やおらそのマムシを鷲掴み持ち帰り、クーラーボックスにおさめ車内に放置しておいた。自ら運転し麓の病院にいき一週間入院。退院時にクーラーボックスを開けると、なんと50度以上はあるだろう車内で、飲まず食わずでマムシは生きていた。
とまあ、たわいもないは話ですが、蛇の生命力の強さは証明できたでしょうか。今年一年は、このような蛇の力強さにあやかりたいものだ。